製品の概要
PL2401DSOについて
PL2401DSOは Androidアプリ『Scoppy』に対応した小型のオシロスコープ基板です。PL2401DSOとOTG機能を持つAndroid端末をUSBケーブルで接続することで、簡易的なオシロスコープになります。
- 最大2ch入力(『Scoppy』のアンロックが必要です)
- 最大入力電圧範囲:±24V
- 入力インピーダンス:1MΩ//25pF
- 最大サンプリングレート500ksps(1ch使用時)/ 250ksps(2ch同時使用時)
- 8chロジックアナライザ・簡易シグナルジェネレータ機能あり
- Raspberry Pi Picoと同じMCU(RP2040)を搭載
- USB-C端子
- 外形57mm x 32mm(基板単体寸法)
↓↓PL2401DSOは BOOTH とスイッチサイエンスで販売中
BOOTHはこちら(限定数に達したためケースの添付は終了しました)
※日本国外への発送(転送)をご希望の場合はこちら から
スイッチサイエンスはこちら
『Scoppy』について
『Scoppy』は Raspberry Pi Pico をオシロスコープ化するための Androidアプリとファームウェアであり、『fhdm-tech』様より公開されています。最大2chのアナログ入力が可能で、トリガ、各種測定、FFT、XY表示などオシロスコープの基本機能のほかに、8chロジックアナライザやシグナルジェネレータ機能などもあります。無料で使用する場合は 広告有り/入力1ch などの制限がありますが、アンロック(数百円ほど)すると 広告無し/入力2ch対応 となります。『Scoppy』アプリはGoogle Playで、ファームウェアは公式サイトなどから入手できます。『Scoppy』の詳細や使用方法などは以下のリンク先にてご確認ください。
- Scoppy公式: https://oscilloscope.fhdm.xyz/
- Scoppyの導入手順: Installation & Getting Started
- Scoppyアプリの使い方: Using the app
購入前の注意点
PL2401DSOはDIY用途向けの製品であり、以下のような注意点があります。ご購入・ご使用される場合は、これらの点をご了解くださいますようお願いいたします。
- PL2401DSOによって生ずるいかなるトラブル・損害・損失に対して picoLABO は一切の責任を負いません。
- PL2401DSOに関する問合せや連絡を『Scoppy』開発元の 『fhdm-tech』様にしないようお願いします。(逆に『Scoppy』に関するお問い合わせは picoLABOではお受けできません)
- 発送・配送・初期不良に関するご連絡は、ご購入されたお店までお願いします。
- DIY向けのため修理対応や手厚いサポートなどはございません。(初期不良は迅速に対応いたします)
- 測定器としての品質を保証していないため、正確な測定が必要な用途には使用できません。
- 使用の際に必要となるAndroid端末・USBケーブル等は別途ご用意いただく必要があります。
製品の詳細
PL2401DSOの主な仕様
項目 | 内容 |
---|---|
オシロスコープ | |
チャネル数 | 2ch |
サンプリングレート | 1ch単独使用時:最大500ksps/ch 2ch同時使用時:最大250ksps/ch |
入力インピーダンス | 1MΩ // 25pF |
最大入力電圧 | ±24V |
入力カップリング | DC/AC 切り替え ※切替え時は入力端子に何も接続しないこと |
測定分解能 | 電圧軸の最大/最小範囲により変わります ±1.5V以内 : 約15mV ±6V以内 : 約60mV ±24V以内 : 約250mV |
端子形状 | 2.54mmピッチ 1×6 ピンソケット またはMCXコネクタ(別途ご用意ください) |
ロジックアナライザ | |
チャネル数 | 8ch |
サンプリングレート | 最大25Msps/ch |
入力電圧 | 0~+3.3V ※CMOSロジック |
端子形状 | ピンソケット 1×10ピン 2.54mmピッチ (別途ご用意ください) |
シグナルジェネレータ | |
出力波形 | 矩形波:100Hz~1.25MHz(0~約3.3V) 正弦波:PWM 1kHz(外付けコンデンサが必要) |
端子形状 | 2.54mmピッチ 1×6 ピンソケット ※オシロスコープ用端子の一部 |
その他 | |
基板外形 | 57mm x 32mm |
USB端子形状 | USB-C (2.0) |
電源電圧/電流 | DC+5V/70mA (typ.) |
PL2401DSOの外形・回路図
構成品・必要物品
構成品・添付品
- PL2401DSO 基板 1式
- 1×10 ピンソケット 1個
- 無印良品の小物ケースSS 1個(BOOTH版のみ)
別途必要なもの
- Android端末 ※OTG機能がありScoppyアプリが動作するもの
- USBケーブル ※PL2401DSO側はUSB-C
- OTGアダプタ ※ OTGアダプタ無しで動作するAndroid端末もあります
- プローブ用のジャンパーワイヤー
- その他 MCXコネクタ・ケースなど必要に応じて
PL2401DSOの組み立て
ピンソケットの取付け
ロジックアナライザ入力用に添付の1×10ピンソケットをはんだ付けしてください。異なるコネクタを使用される場合は、形状やサイズをご確認の上で別途ご用意ください。ロジックアナライザ機能を使わない場合は、ピンソケットを取り付けなくても問題ありません。
Scoppyのインストール
『Scoppy』公式サイトの Installation & Getting Started の手順に従って、『Scoppy』のアプリをAndroid端末にインストールしてください。ファームウェアはPL2401DSOにインストール済みですが、製造時期により最新版では無い場合もありますので、この場合はファームウェアも合わせてインストールしてください。
初期設定
正しい電圧を表示させるために、入力電圧範囲の初期設定が必要となります。設定には二種類の方法があり、手順は簡単ですが測定精度が劣る「定値法」と、測定精度に優れますが手順が面倒な「実測法」の、いずれかを行ってください。
なお、どちらの設定法を用いた場合でも、部品の誤差・非直線性・周波数特性・使用環境等の影響により、必ずしも正確な測定値にはならない可能性がある ことをご承知おきください。
設定時は、PL2401DSOとOTG接続機能を持ったAndroid端末をUSBケーブルで接続し、『Scoppy』アプリを起動して以下の手順で行ってください。また、説明はCH1用になっていますが、CH2を使用する場合も同様の手順で設定してください。
- Android端末の機種によっては、OTG機能の有効化や、別途OTGアダプタが必要になる場合があります。
入力電圧範囲の設定(定値法)
複数の評価機の測定データから算出した平均値で設定します。個体差を補正できないため、実測法に比べて測定精度が劣る場合があります。可変電圧電源やマルチメータをお持ちでない場合には、この方法で設定してください。
- 『Scoppy』画面左下にある 黒の[USB]バッジをタップし、[Connected Device]⇒[Firmware settings]⇒[Channels]⇒[Channel1]と選択します。
- [Firmware channel settings]画面にて、各行の[Min. voltage]と[Max. voltage]を下図のように設定します。
- 画面下部の[Auto voltage range pins]を【2】に設定して、最後に[OK]をタップします。
- [Restart Your Pico]と表示されたら、USBコネクタを抜き差しすれば設定完了です。
入力電圧範囲の設定(実測法)
可変電圧電源から直流電圧を入力して設定値を算出します。実測値を使うので、PL2401DSOの個体差を補正した正確な設定が可能となります。この方法では、1V~24V程度の直流電圧を出力できる低ノイズの可変電圧電源とマルチメータが必要になります。
実測法 Step1 仮設定
- 『Scoppy』の画面下部にある 黄色の[CH1]バッジをタップし、[Measurements]⇒[On-screen]を選択し、[Show]をイネーブル、[Vmin]と[Vmax]にチェックを入れて[OK]します。
- 『Scoppy』の画面下部にある 黒の[USB]バッジをタップし、[Connected Device]⇒[Firmware settings]⇒[Channels]⇒[Channel1]と選択します。
- [Firmware Channel Settings – CH1]画面にて、Range 0~2の各行の[Min. Voltage]を「0」、[Max. Voltage]を「255」に設定します。(下図)
- 画面下部の[Auto Voltage Range Pins]を【2】に設定して、最後に[OK]をタップします。(下図)
- [Restart Your Pico]と表示されたら、USBコネクタを抜き差ししてPL2401DSOをリセットします。
実測法 Step2 電圧測定
- 『Scoppy』の画面下部にある 黄色の[CH1]バッジをタップし、[Select input voltage range]⇒[0(0V-255V)を選択します。
- CH1の入力端子に +12V~+24Vの任意のDC電圧を印加し、その正確な電圧をマルチメータで測定して下記計算フォーム[Voltage Range Calculator]の Vin_H の欄に入力します。
- 『Scoppy』の画面左下にCH1の測定電圧としてVminとVmaxが表示されているので、これらの中間の値を計算フォームの Vm_H の欄に入力します。(例: Vmin=214, Vmax=216ならば Vm_H=215を入力)
- CH1の入力端子に-12V~-24Vの任意のDC電圧を印加し、その正確な電圧をマルチメータで測定して下記計算フォームの Vin_L の欄に入力します。
- 『Scoppy』画面左下にCH1の測定電圧としてVminとVmaxが表示されているので、これらの中間の値を下記計算フォームの Vm_L の欄に入力します。
- 計算フォームのResult欄に表示された min.Voltage および max.Voltageの値をメモしておきます。(これらがRange0の設定値となります)
- 上記の1~6の工程を下表の組合せで合計3回(Range 0~2)行い、各Rangeの設定電圧を取得してください。
Range | Vin_Lの範囲 | Vin_Hの範囲 |
---|---|---|
0 | -12V~-24V | +12V~+24V |
1 | -3V~-6V | +3V~+6V |
2 | -1V~-1.5V | +1V~+1.5V |
実測法 Step3 本設定
- 『Scoppy』の画面下にある 黒の[USB]バッジをタップし、[Connected Device]⇒[Firmware settings]⇒[Channels]⇒[Channel1]と選択します。
- [Firmware Channel Settings]画面にて、Step2 で得られた min.Voltage および max.Voltage の値をRange 0~2の各行に入力します。
- 画面下部の[Auto Voltage Range Pins]を【2】に設定して、最後に[OK]をタップします。(下図)
- [Restart Your Pico]と表示されたら、USBコネクタを抜き差しします。
- 『Scoppy』画面下にある 黄色の[CH1]バッジをタップし、[Select input voltage range]⇒[Auto] を選択したら、実測法による設定が完了となります。
操作方法
Scoppyの操作
後述する入力カップリングの切替えを除き、すべての操作は『Scoppy』アプリから行うことができます。様々な機能がありますので、下記の公式webサイトをご覧ください。
Scoppyアプリの使い方: Using the app
入力カップリングの切替え
DC/ACカップリングの切り替えは、チャネルごとにスイッチで行うことができます。なお、切り替えは測定端子を測定対象から外した状態で行ってください。
入力電圧範囲の切替え
『Scoppy』画面下部の [CH1] または [CH2] バッジ⇒[Select input voltage range] の設定を [Auto] にすることで、電圧スケール (Vertical scale) の設定に応じて自動的に入力電圧範囲が切り替わります。また、[Select input voltage range]のRangeを手動で切り替えることで、測定分解能を向上できる場合もあります。以下に、Range番号・入力電圧範囲・測定分解能の比較表を示しますのでご利用ください。
Range | 入力可能電圧範囲 | 測定分解能 |
---|---|---|
0 | ±24V以内 | 約240mV |
1 | ±6V以内 | 約60mV |
2 | ±1.5V以内 | 約15mV |
その他
シグナルジェネレータ機能
前述の入力端子の容量補正や動作確認用のテスト信号として、[SG]ピンから矩形波(標準は1kHz)が出力されています。また、『Scoppy』の Signal Genarator 機能により、周波数を100Hz~1.25MHzの範囲で変更することもできます。
なお、『Scoppy』ではPWMによる1kHzの正弦波も選択できますが、その際は[SG]ピンと[GND]ピンの間に0.1uFのコンデンサを接続することでLPFが形成されて正弦波が出力されます。
パッシブプローブを使用する場合
パッシブプローブを接続する場合は、PL2401DSOにMCXコネクタをはんだ付けする必要があります。また、パッシブプローブのコネクタがBNCの場合は、BNC-MCX変換ケーブルなどもご用意ください。
減衰量(「x1」や「x10」など)の切り替えは、プローブ側のスイッチとともに、『Scoppy』アプリ側の設定( 画面下部の[CH1]または[CH2]の黄色いバッジ⇒[Probe])も変更する必要があるのでご注意ください。
対応
- MCX-Jコネクタ MCX-50KE-F aitendo ※足を数mm切るとケースに収まります
- BNC-MCX変換ケーブル 通販コードC-13321 秋月電子通商
- オシロスコーププローブ MCXコネクタ付き 通販コードM-12022 秋月電子通商
※ 秋月電子通商のwebサイトは商品ページへの直接リンクが禁止されているため、トップページから商品コードで検索してください。
ケース(必要に応じて)
PL2401DSOは無印良品の『ポリプロピレンケース小物SS』にピッタリ収まるサイズになっています。ピンソケットやUSBコネクタの部分をカッター等で切り抜くと使いやすくなります。
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